いま世間を賑わせているソリューション、
RPA
RPAの存在が社会に与える影響を紐解いていきましょう。
- RPAの導入を検討している方
- この先仕事がRPAに取られるのではないかと不安な方
にオススメです。

目次
RPAとは
他のブログで説明しておりますので詳しくは下記記事をチェックしてみてください。
RPAが社会に与える影響
仕事を奪われる??
RPAはパソコン業務を自動化してくれ、
事務職、つまり経理であったり総務、人事、営業事務など
いわゆる間接業務と呼ばれる仕事を人間から奪うことになります。
つまり
事務職がなくなってしまう
という極端な話になってしまいます。
もともと企業の中にある直接業務と間接業務の割合は
8:2
あるいは
9:1
が適正と言われています。
意外と狭き門の間接業務が、
尚RPAによってその席を奪われようとしています。
果たして本当にそんなことが起こり得るのでしょうか??
結論から言いますと、
「起こり得ます」
それはなぜか、理由はいくつかあります。
- およそ人件費の1/3で導入可能
- ヒューマンエラー0
- 残業代が発生せず、24時間働ける
これを見ただけで人を雇うよりも数倍メリットがあると思えますね。
経営者にこんな話をしたら飛びつくことこの上ないでしょう。
ですが、理解しておいて欲しいところは、
全ての間接業務がRPA化できる、夢のようなソリューションではない
ということです。
先にもお伝えした通り、
パソコン業務のみRPA化可能なのです。
つまり、電話対応であったりFAX、秘書、アポイントメントなどと言った間接業務は残ります。

それでは次章です。
職種に与える影響
ここでは間接業務の代表例、
- 経理職
- 総務職
- 人事職
- 一般事務職
に与える影響を紐解いていき、
RPA化できる作業と人でしかできない作業に分けて説明していきます。
経理職
まず1番打撃を受けるのはこの部署と言っても過言ではないでしょう。
経理職の主な仕事内容は
複式簿記を使った「記帳」です。
簿記を知らない方のために記帳というものが何か簡単に説明しますと、
お金の発生(売上や仕入、消耗品の購入など)を全て帳簿に書き写すこと。です。
つまり、帳簿はパソコン上にある会計ソフトに入力していきますので、
その入力作業をRPA化することができます。
RPA化できる作業
- 会計ソフトへの記帳
- 入出金明細の取得
- 資料印刷 など
人にしかできない作業
- 銀行対応
- 数値の分析
- 税務申告、納税 など
総務職
総務職の主な業務は、従業員の福利厚生の充実、社会保険・雇用保険等の管理、従業員管理等があります。
RPA化できる作業
- 従業員情報の登録(従業員管理システムへ)
人にしかできない作業
- 従業員対応
人事職
人事職の主な業務は人事異動、人事考課、人員の適正な配置転換などがあります。
RPA化できる作業
- 人事異動の通知
- 人事考課の集計
人にしかできない作業
- 人事異動
- 人事考課内容の決定
- 人員の配置転換
一般事務職
一般事務の仕事は、電話応対、来客対応、会社システムを使った入力、・出力業務、営業サポートなどがあります。
RPA化できる作業
- 会社システムを使った入力業務
- 出力業務
人にしかできない作業
- 電話対応
- 来客対応
- 営業サポート
4つの職種の、RPA化できる仕事・人にしかできない仕事に分けました。
パソコン作業はほとんどRPA化することができ、
納税、銀行対応、電話対応や人事異動、営業サポートといった人が考え、行動するような作業は
RPA化が進もうと、「人にしかできない仕事」として残ることになります。

業種への影響
ここでは、RPA化がどのような業種に、どのような影響を及ぼすかを書いていきます。
卸売業
基本的な卸売の業務フローは、
見積もり→発注→仕入→納品→請求→入金
の流れです。
ここのどこをRPA化できるのか、と言いますと、
ほぼ全てRPA化することができます。
見積もり→発注→仕入、請求という流れは、その業界ごとにEDIという仕組みを取り入れている場合が多いです。(流通業も)
EDIとはelectronic data interchange の略で、その業界の慣習に合わせた商取引を、標準規格に則り電子化させたものです。
見積もりから請求までを電子化できてしまうので、それだけでもIT化が進んでいるのですが、
そこにRPAを加えることでシステム間のデータ連携がシームレスになります。
つまり、卸売業のパソコン作業はほぼRPA化が可能となり、
間接費用削減の効果を見込むことができます。
IT業界
実はRPAがIT企業へ負の影響を及ぼすと私は捉えています。
企業運営にソフトウェアは欠かすことができません。
会計システム、販売管理システム、ECシステム、BIシステム・・・
企業にとって必要なシステムは数多くあります。
そんな中、システム会社が提供する様々なソフトウェアはいわゆるパッケージ商品と呼ばれています。
パッケージ商品はあくまでも決まった仕組みしか搭載されておらず、
その企業に完全に一致したシステムをパッケージそのままで運用することは
極めて困難です。
さらには、新しいシステムを導入したのはいいが、
他のシステムとの親和性が低く、
データのやり取りがシームレスに行えずに
手作業が発生してしますことがあります。
そういうときにシステム会社は、「パッケージのカスタマイズ」を行います。
カスタマイズすることで、その企業に合ったシステムへ修正することができ、
他のシステムへシームレスに連携することができるようになったりします。
ただ、このカスタマイズが非常に高価です。
パッケージ商品をカスタマイズしすぎて、気付いたら元値の2倍のコストがかかってしまった
なんていうことに陥ります。
実はシステム会社は、このカスタマイズでマージンを確保しているのも事実なのです。
パッケージ販売+カスタマイズ がシステム導入企業にとって当たり前になってしまうのです。
ですが、ここでRPAの登場です。
先ほどカスタマイズによって、「他のシステムへシームレスに連携する」ことができると書きました。
実はこれ、RPAが大得意な作業なのです。
Aシステムから情報を抜き出し、Bシステムへ情報を入力させる。
人間にもできますが、間違えることもありますし、何せ手間です。
これはRPAに任せることができますので、システムのカスタマイズが必要なくなります。
つまり、RPAというソリューションの登場で、
今までのシステムのカスタマイズによるマージン獲得という
システム会社のビジネスモデルが崩壊してきているということになります。

人材派遣業界
最後に、人材派遣業界に与える影響を紐解きます。
結論から言いますと、こちらも負の影響が見込めると思います。
事務仕事が人からRPAへ移り行く時代が来ており、
単純に仕事をさせるのに人でないといけない理由が減ってきているのが現状です。
言わずもがな、人材派遣業界の利用者数が減っていくのではないかと思っております。
解決策
負の影響を受ける働き手や業界が今後、どのような行動をするべきなのでしょか。
働き手
- 自分にしかできないことを磨く
- RPAの利用者になる
今後の事務職は、自分にしかできないことができる人材が重宝される時代が来ると思っています。
考えて行動でき、決断できる人が事務職に必要になってきます。
ただパソコン入力、電卓打ちが速いといった能力(スキル)だけでは食べていける職種ではなくなります。
どうしても自分でなければ務まらない!と言えるよな能力を磨いていきましょう。
また、RPAの利用者になることも有効です。
現在、RPAの資格があるほど、RPAの認知度は高くなってきています。
更に総務省の調査によると、あるメガバンクがRPA導入により年間8,000時間のRPA化に成功した。と記されています。 出展:総務省HP
総務省が推しているソリューションですから、企業側もRPAを使える人材を欲しくなるのは当たり前に思えます。
RPAを使える者という一つの肩書を取得することで、RPA化に負けない人材になると思います。

IT業界
- 今までの販売モデルの軌道修正
- RPA商品販売
パッケージ商品+カスタマイズ
といった販売モデルを見直す必要があります。
今では会計・販売管理・受発注システムなど、企業が必要なシステムを完全網羅した
ERPという仕組みのシステムが出てきています。
これにより各システム間のデータ連携がAPI連携によってシームレスに出来るようになります。
ただ、買う側からしたら非常に高価。
大手企業向きです。
中小企業は各システムの個別導入を余儀なくされている状態です。
各システムの販売と、RPAも同時に販売できる、
こんな販売モデルを今後主流にしていく必要があると考えます。
人材派遣業界
RPA化により事務職の求人数が減っていくことは今後避けられないと思います。
しかし今、RPAを使える人を求める企業が増えてきています。
求人として出るほど、RPAが普及しているということにもなりますので
ブルーオーシャンのような状況と考えています。
さらにRPAの導入さえ提案してしまえば、一石二鳥の販売モデルとなりえるのではないでしょうか。